いわゆる「政治とカネ」の問題などで欠員が出た衆院議員の補欠選挙で、東京15区、島根1区、長崎3区のすべてで立憲民主党公認の候補が勝利する結果となった。序盤から終盤までの情勢調査では知りたくもない情報が錯綜(さくそう)していたが、おおむね各調査の予想通りだった。よく「政治とカネ」と言うが、実は「自民党とカネ」の問題である。この表現では政治そのものに関心が持たれなくなってしまうのではないかという懸念もあるが、投票率を見れば実際そうなっていると見るべきなのかもしれない。 今回の結果について岸田文雄首相は、全くの予想通り「真摯(しんし)に重く受け止めている」「国民の信頼回復に努めていきたい」などと言った。これまでも、ずっと「真摯に」「重く」「受け止めて」ばかりの岸田氏だが、具体的にどうこう、というのはないようだ。具体策を持ち合わせていないのは、「課題に一つ一つ取り組んで結果を出し、責任を果たしてい