1950年時点では短命だった日本人女性。バブル期に平均寿命世界一となってからは、変わらずトップの座を維持していますが、働き方によってさまざまな健康格差が生じていることが研究からわかってきました。大阪医科薬科大学医学部、社会・行動科学教室教授の本庄かおりさんに聞きました。 世界が不思議がる「日本女性の長寿化」 ――日本の女性は平均寿命が長いことで知られます。世界保健機関(WHO)の2023年版の世界保健統計によると約87歳。2年連続で縮んだとはいえ、世界第1位にランクインしています。日本女性の長寿化はいつごろから進んだのでしょう。 1950年時点の日本女性の平均寿命は約62歳で、北欧をはじめとする先進諸国に比べると短命でした。経済成長期を経て急激に伸び、1986年に世界1位となっています。 ――まさにバブル景気の頃ですね。 平均寿命は長いスパンを経て変化していくものなので、その時々の景気を反