苦境の原発産業を輸出で支えるという政策は、行き詰まりが明白になった。政府は失敗を認め、戦略を転換しなければならない。 日立製作所が、英国で進めてきた原発建設計画の凍結を決めた。三菱重工業も、トルコでの計画から撤退する見通しとなっている。いずれも、採算がとれずリスクが大きい、という経営判断が働いた。 日本の原子炉メーカーが関わる海外案件は、すべて頓挫することになる。過去数年でベトナムやリトアニアの計画が止まったほか、東芝は米国事業の失敗で経営危機に陥り、海外から事実上、手を引いた。政権と企業が二人三脚で取り組んだ原発輸出は、総崩れの様相だ。 東京電力福島第一原発の事故後、国内で原子炉の新規受注が見込めなくなったメーカー3社は、技術や人材を維持するため、海外市場に活路を求めた。原発回帰を進める安倍政権も、相手国への売り込みや政府系金融機関の活用など、支援に力を入れてきた。 だが、この間に世界の