沖縄県民が米軍普天間飛行場移設による辺野古埋め立てに「ノー」を突きつけて一夜明けた25日、安倍晋三首相は工事を止めることもなく、移設の必要性をひたすら繰り返した。自ら約束した「普天間の5年以内の運用停止」も空手形に。工事の長期化は必至で、民意を軽んじられ続ける県民の政権への不信は募るばかりだ。 25日朝、沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前。有効投票数の72・15%が反対票を投じた県民投票を受けて、市民ら約40人が座り込んだ。「県民投票の結果で大きなうねりをつくろう」と拳を突き上げたが、県警の機動隊に抱えられ排除された。資材を積んだダンプカーやミキサー車が続々と到着し、沿岸部にはこの日も土砂が投入された。 安倍晋三首相は衆院予算委員会で「県民投票の結果を真摯(しんし)に受け止める」と神妙な面持ちではあったが、続けた言葉は普天間飛行場の移設の必要性ばかり。「危険なまま置き去り