自分用の最新鋭補聴器を手にするスターキー社のアーチン・ボーミック最高技術責任者=米カリフォルニア州、大牟田透撮影 博士が耳の後ろにひょいと手をやると、指先ほどの装置が手品のように現れた。「だいたい驚いてもらえるね」。そう言って、向かい合った記者にほほえんだ。 聴力に問題はないが、博士は一日中、自社の最新補聴器「エボルブAI」を使っている。就寝中に充電すれば、連続20時間動く。製品を自らテストする意味もあるが、近距離無線通信のブルートゥースを使った便利なヘッドセットとして、電話に出たり、オーディオブックや音楽を聴いたりしているという。小さくて、耳につけていても目立たない。 スマートフォンを介してインターネットと接続すれば、聞いた言葉の自動翻訳や文字起こし、さらには秘書のように様々な問い合わせに答えてもくれる。 実演してみせてくれた。エボルブAIを軽くたたいてから「日本の首相は誰?」と口にする