国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長との電話協議のため首相公邸に向かう安倍晋三首相(当時)=首相官邸で2020年3月24日、川田雅浩撮影 東京オリンピックの開会式に招待される筆頭格はこの方だろう。人気キャラクターのマリオに扮(ふん)し、次期開催地をアピールした安倍晋三前首相。新型コロナウイルスの影響で、大会を1年延期にする主導権を握った。首相を退いた今も、その影がちらつく。 「歴史認識などで一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対している」。販売中の月刊誌「Hanada」で、安倍氏は中止論を掲げる野党などを批判した。五輪は大規模会場や夜間に実施する一部競技のみ無観客とする案が検討された経緯を見ると、少しでも観客を入れて開催したいという大会関係者の思いがにじみ出る。その理由について、「安倍氏が有観客にこだわっているからだ」との声も漏れ伝わる。安倍氏の五輪