政策決定の基礎となる統計に対する信頼が大きく揺らいでいる。政権与党は口では再発防止を誓うが、前提となる厚生労働省の毎月勤労統計の不正調査問題の解明には、及び腰と言わざるを得ない。これでは行政への信頼回復はおぼつかない。 国会の予算委員会の論戦が始まった。最大の焦点は統計不正である。しかし、与党は、厚労省の大西康之・前政策統括官(局長級)ら、野党が求める関係者の参考人招致を拒否した。 大西氏は昨年末に部下から不正調査の事実を知らされ、根本厚労相に報告した。厚労省の初動対応のカギを握る人物だ。 しかし、別の統計におけるルール違反の報告漏れを理由に、先週末に根本氏に更迭された。これを受け、与党は現職の担当者でないことを理由に、国会招致に応じなかった。 政策について責任をもって説明するなら現職である必要もあろうが、目的は過去の経緯をつまびらかにすることである。 政権与党は森友問題でも同様の理由で、