戦前の国葬令第3条には、天皇・皇族以外の者は「特旨」により国葬を行うことがあるとの定めがあった。宮内公文書館所蔵「大正15年 国葬令勅令案内閣ヘ照会ノ件関係書類」より=2022年8月30日、野口武則撮影 9月は安倍晋三元首相の国葬が話題になりそうです。永田町や霞が関を取材してきた政治記者として、衆院法制局と内閣法制局の法律論争が興味を引きます。国葬を通じて「国のかたち」が浮き彫りになるからです。【論説室・野口武則】 「私の頭では理解できないところもありますが『国葬』と『国葬儀』が同種のものと理解してペーパーをまとめた私たちの理解が浅かったことになると思います」 8月18日に国会内で行われた野党の国対ヒアリングで、橘幸信・衆院法制局長の言葉から内閣法制局への憤りが伝わってきた。 この日のテーマの一つが「国の意思」だった。 内閣法制局の「憲法関係答弁例集(天皇・基本的人権・統治機構等関係)」(