菅義偉首相が総裁選不出馬を表明したニュースを映す大型モニター=JR大阪駅で2021年9月3日午後6時、滝川大貴撮影 菅義偉首相が自民党総裁選に立候補しない考えを示した。総裁任期は今月末までのため、事実上の辞意表明だ。 秋の衆院選が迫る中、内閣支持率の下落に歯止めが掛からず、政権運営が行き詰まった末の突然の退陣劇となった。 新型コロナウイルス対策が後手に回り、国民の不安や不満に向き合わない独善的な姿勢への批判が広がった。 首相は17日に告示される総裁選で苦戦が予想されていた。週明けに二階俊博幹事長を交代させる党役員人事を行い、局面の打開を図ろうとしたが、党内からの異論に阻まれた。 一時は、人事の刷新をテコに衆院を解散し、総裁選を先送りすることまで検討していた。 こうした「禁じ手」を繰り返してまでも自らの政治的延命を図ろうとする「個利個略」の姿勢は、党内の大きな反発を招いた。 延命へ禁じ手繰り