国民の多くがふに落ちていないのではないか。核兵器の存在を史上初めて違法と定めた核兵器禁止条約が22日に発効したのに対し、唯一の戦争被爆国である日本が不参加を明言していることである。政府は、米国の核抑止力を維持することを理由に挙げ、「核保有国と非保有国との橋渡し役を担うことで核廃絶を目指す」という。だが、そんな“現実論”を、「外交努力が足りない」と一刀両断する元外相がいる。田中真紀子・元衆議院議員である。「日本は米国の顔色をうかがっているだけで国家としての主体性がない」と語る田中さんに、真意を聞いた。【牧野宏美/統合デジタル取材センター】 菅氏は「人間としての基本ができていない」 「ごめんなさいね。近所だと、ついぎりぎりになっちゃって」。1月上旬、待ち合わせをした東京都文京区のホテルに、時間ちょうどに現れた田中さん。緑のチェックのツーピース姿で深々と頭を下げて記者にあいさつした。歯に衣(きぬ