日本の外交・安全保障政策の司令塔となる国家安全保障会議(NSC)。その事務局である国家安全保障局(NSS)の新しい局長に、北村滋・前内閣情報官が就任した。 警察官僚出身の北村氏は、内外の情報を収集・分析する内閣情報調査室(内調)のトップとして安倍首相を支えてきた側近の一人だ。ただ、外交・安保分野での手腕は未知数で、異例の起用と言わざるをえない。 NSCは同名の米国の組織をモデルに、安倍政権が13年に発足させた。首相、官房長官、外相、防衛相による「4大臣会合」を中核として、各省庁からの情報を共有し、外交・安保の方向性を決める。 外務・防衛両省の官僚や自衛官らで構成する事務局を率いる局長は、省庁間の縦割りを排し、各国のカウンターパートと情報交換をしながら、首相に助言をする重責を担う。 初代局長を務めた前任の谷内(やち)正太郎氏は、第1次安倍政権を外務事務次官として支えた外交官だった。北村氏は首