県民に寄り添う。県民投票の結果を真摯(しんし)に受けとめる。その言葉が本心であるならば、行動で示して欲しい――。 沖縄県の玉城デニー知事は、きのう安倍首相にそう迫った。 当然の要請である。政府は辺野古の海の埋め立て工事をただちに中止して、県との話し合いに応じるべきだ。ましてや、今月下旬に予定している新たな海域への土砂投入など、到底認められるものではない。 会談は、先日の県民投票の結果を伝えるために開かれた。あわせて知事は、二つの対話を呼びかけた。一つは、米軍普天間飛行場の地元が被っている負担の軽減策を話し合う会議(国、県、宜野湾市)の開催、もう一つは、在沖米軍基地の現況や今後について検証・協議する場(日米両政府と県)の新設だ。 国際情勢の変化などに目をふさいで「辺野古移設が唯一の解決策」を繰り返し、結果として普天間の危険性も放置してきた政権に対し、問題解決に正面から取り組むよう促すものだ。