保守系の有力新人3候補がし烈な戦いを繰り広げ、13日に投開票された石川県知事選。28年ぶりとなる新知事の座を勝ち取ったのは、元プロレスラーで文部科学相などを務めた馳浩氏(60)だった。県議の多くが対立候補を支持する苦境を乗り越えての逆転勝利。この裏には、同郷の政治の師である森喜朗元首相(84)とタッグを組み、数年前からの隣県も巻き込んだ「国取り計画」があった。 フライング発言で逆境 保守分裂は、馳氏の「フライング発言」から始まった。昨年7月に衆院選不出馬と知事選への挑戦を表明した際、まだ現職知事が進退を明言していない段階で「現職の後継」を名乗ると、知事の支援者らが「失礼だ」と反発。知事の退任表明後に石川県選出の参院議員だった山田修路氏(67)を候補者に担ぎ、自民の大半の県議が山田氏についた。自民分裂と見るや、有権者の多い金沢で知名度のある当時金沢市長の山野之義氏(59)も参戦。毎日新聞の陣