「この国に、女優・木内みどりがいた」の「原発編」は今回が最後になる。原子力廃絶のための研究を続け、木内さんに大きな影響を与えた元京都大原子炉実験所助教の小出裕章さん(71)への2回目のインタビューを中心に構成したい。私は新型コロナウイルス感染拡大の第2波が比較的落ち着いた2020年10月、約7カ月ぶりに小出さんが暮らす長野県松本市を訪れた。普段は同居する妻以外、誰にも会わない「仙人暮らし」を続けていた。【企画編集室・沢田石洋史】 小出裕章さんに再インタビュー 1回目のインタビューは同年3月11日に行った。この時は東京電力福島第1原発の現状を解説してもらったり、東日本大震災から丸9年の所感を述べてもらったりした。当時、事前にメールで送った質問事項には、前年に死去した木内さんとの思い出についても語ってほしいと依頼したが、小出さんからこんな返信が届いた。 「みどりさんとの思い出はいっぱいあります