アニメ制作に打ち込んできた人生が突然、断たれた。その無念さを思うとき、深い悲しみとともに放火という卑劣な行為への憤りがこみあげてくる。 アニメ制作会社「京都アニメーション(京アニ)」の京都市伏見区のスタジオに火が放たれた事件は、現場で33人の死亡が確認された。負傷した人も30人を超え、懸命の治療が続いているが、重篤な状態の人もいる。 警察が容疑者として氏名を公表した男は、スタジオで「死ね」などと叫びながらガソリンのような液体をまき、火をつけたとされる。現場から逃げ出し、近くの路上で身柄を確保された際には「小説を盗まれたから放火した」という趣旨の説明をしたという。 スタジオの近くでは、ガソリンのような液体が残る携行缶と台車、包丁数本とハンマーが入ったかばんが見つかった。計画性や強い殺意がうかがわれるが、男と京アニ社との関係は確認されていない。同社には数年前から危害を予告するようなメールなどが