農林水産物の昨年の輸出額が、政府が目標に掲げる1兆円を初めて超えた。 農林水産省によると、昨年1~11月の輸出額は前年同期比26・8%増の1兆779億円。ホタテ貝(前年同期比103・2%増)、日本酒(73・5%増)、イチゴ(73・2%増)などが大きく増えた。日米貿易協定で米国向けの低関税枠が広がった牛肉も87・7%伸びた。コロナ禍の巣ごもり消費に対応するため、ネット販売を強化したことなどが功を奏したという。 日本では今後、人口減少が避けられない。政府は輸出拡大を、国内の農林水産業の基盤を維持する有力な選択肢と位置づけて支援を続けてきた。 「輸出1兆円」は、最初に政府が目標を掲げた06年当時は13年に達成するはずだった。予定より8年遅れたとはいえ、食料自給率など農水省の掲げる目標の多くが未達であることを考えれば、達成できたことは一定の評価ができよう。 政府は輸出を今後も拡大し、25年に2兆円