「桜を見る会」前夜祭の費用を巡る問題で、安倍晋三前首相が不起訴とされたことについて、検察審査会が「不当」と議決した。 東京地検特捜部は、前夜祭の収支を政治資金収支報告書に記載しなかった罪で秘書を略式起訴し、捜査を終えた。安倍氏の関与を裏付ける証拠はないと判断した。 これに対し、くじで選ばれた市民で構成する検察審査会は、「捜査が尽くされていない」と指摘した。疑念は払拭(ふっしょく)されていない。特捜部は捜査を徹底し、真相を解明しなければならない。 前夜祭は安倍氏の後援会が主催し一昨年まで毎年行われた。桜を見る会に招待した支援者を集め、高級ホテルで開いた宴会だった。 参加者の会費で賄えなかった費用は、一昨年までの4年間で約700万円に上り、安倍氏側が補塡(ほてん)していた。 公職選挙法が禁じた有権者への寄付に当たる可能性がある。しかし、特捜部は参加者側に寄付を受けた認識がなかったと判断した。