安倍晋三元首相が銃撃された事件から1年が経過したが、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題は解決されていない。 1980年代以降、霊感商法や高額献金などが問題視されてきた。信者の困窮や家庭崩壊といった被害が生じていた。 にもかかわらず、長らく有効な対策は取られなかった。改めてクローズアップされたのは、銃撃事件がきっかけだ。 昨秋に結成された「全国統一教会被害対策弁護団」は、被害救済のための集団交渉を申し入れた。109人が計35億円余の賠償を求めている。教団は事実上、交渉を拒否しているという。 新たな被害の防止に向け、昨年末に不当寄付勧誘防止法が制定された。不安をあおるなど相手を困惑させ、団体が寄付を募ることを禁止する。 消費者庁によると、防止法の行政措置や罰則の規定が施行された4月から2カ月で、不当勧誘が疑われる情報が48件寄せられた。 内容を見極め、厳格に対応すべきだ。法律の規定が被害