今国会はNSCの設置法と特定秘密保護法ばかりに注目が集まったが、実は他にもわれわれの国のカタチを問うような重要な法律が多く成立した。 それは国会の捻れが解消したことで、決められない政治から決められる政治への転換を示すものであったかもしれない。しかし、同時に、そうした決定によって日本がどこに向かうのかについての国民的な議論がないまま、あるいは多くの国民にはそうした認識すらないまま、ある特定の方向に向かっていることを決定づけるものとして、歴史に刻まれる可能性もある国会だったと言えるかもしれない。 それは、困窮者を誰が支えるのかという社会のあり方の根幹に関わる生活保護制度に変更を加える生活保護法改正と生活困窮者自立支援法、やや遠回りながら電気市場の自由化を推し進める電気事業法の改正、防災対策の名の下に公共投資の拡大を可能にする国土強靱化基本法、一部例外を除いて薬のネット販売を可能にする薬事法の改