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ブックマーク / psichiatra.blogspot.com (15)

  • とりあえず俺と踊ろう: 精神科医とは、患者の心の中の炭酸水を扱うような仕事である

    zyugem
    zyugem 2016/03/04
  • 我が家に仔ネコがやって来た‏

    その仔ネコが我が家に来ることになったのは、金曜日の夜だった。 断乳中の次女ユウを寝かしつけるのが俺の役目で、毎晩、抱っこひもにユウを入れて夜道を散歩する。いつもは家に残る長女サクラが、その夜は一緒に行くと言ってついて来た。 抱っこしたユウの体温をお腹に感じ、サクラの小さな手を俺の左手に包みこみ、それぞれに語りかけながら歩いていると、サクラのよく響く声の隙間を縫うようにして仔ネコの鳴き声が聞こえた。道路の反対側からのようだ。 「サクラ、静かにしてみて。ネコが鳴いてるよ」 「えー? ネコー」 「静かにって(笑)」 二人で耳を澄ますのと、仔ネコの影が道路を横切るのと、軽自動車のライトが迫るのとがまったく同時だった。それから、ゴグッという嫌な音がして、俺は足が動かなくなり、脳裏にはネコの無残な映像が浮かんだ。立ち止まった俺たちの横を、普通車や大型トラックが通り過ぎていく。その轟音に恐怖を覚え、思わ

    我が家に仔ネコがやって来た‏
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    zyugem 2015/07/30
    これは切なすぎる。
  • とりあえず俺と踊ろう: ホメオパシーとプラセボと悪魔と魔術師 (後編)

    2015年7月8日 ホメオパシーとプラセボと悪魔と魔術師 (後編) 悪魔は自らの名前を知られると、魔術師に服従しなければならない。 世の中には人を不安にさせる正体不明のものがある。これに名前をつけることで人は少しだけ安心する。さらに仕組みや正体を知ることで、そういう不安は人に「服従」する。例えば原因不明の熱や痛みは苦しい上に不安だが、病院で診察を受けて病名がつくと、たとえ熱や痛みがそのまま変わらなくても少しだけ安心できる。これは一般の人にとって、「病名がつく」=「原因が分かる」=「対処法がある」と思えるからだろう。(※) 精神科の診察室でも、病気ではないと判断して「病名はありません」と告げるとガッカリした表情をする人がいる。「この悩み、この辛さ、この苦しみが病気でないのなら、いったい何なんだ!?」という不安や憤りや失望があるのだろうし、「性格傾向や生活習慣の問題」とは考えたくないという

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    zyugem 2015/07/09
  • とりあえず俺と踊ろう: ホメオパシーとプラセボと悪魔と魔術師 (前編)

    2015年7月7日 ホメオパシーとプラセボと悪魔と魔術師 (前編) ホメオパシーでうつ病を治した、という論文が『精神科治療学』の2015年5月号に載っていた。その中でも、「おい、これはないだろ!」とツッコミを入れたくなった部分を紹介する。 患者は36歳の男性で、意欲低下と集中力低下を訴えている。うつ病の診断で多剤による治療を行なわれていたが良くならない。そこでホメオパシーに期待をかけて、論文筆者のもとへ来院した。 男性はこの時点で休職中なのだが、療養態度がひどい。 ビールが非常に好きで1日1000ml以上、ワイン1、昼から飲酒している。 おいおい……、休職中だろ……。俺ならこの時点で、うつ病の診断は一旦保留にし、何よりもまずアルコール依存症だと告げて断酒を勧める。仕事を休んで好きな酒を昼から飲むなんて、仮に当にうつ病だとしてもこんな生活で病気が治って復職できるはずがない。 この

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    zyugem 2015/07/09
  • とりあえず俺と踊ろう: 精神科医は病棟で患者に殴られてはいけない‏

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    zyugem 2015/07/01
  • 性犯罪に巻き込まれそうになったら、少しでも何かされる前に大声を出せ

    緊急事態で「意味のある」大声を出せるのは凄く大切だ。今どき、「キャーッ!」くらいの大声なら、手持ち花火をしていても出す人はたくさんいる。危機に際して、「助けて!」の一言が出るか出ないか、その差は大きい。 「火事だ!」と叫ぶほうが人が集まるから良いという話もあるが、ただでさえ「助けて!」と叫べないような人が、緊急場面で「火事だ」なんて嘘を大声で言えるはずがない。あれは非現実的である。 ところで、性犯罪に巻き込まれそうになった時、大声を出すのが相手が何か始める前か後かでは、効果がぜんぜん違う。加害者はたいてい緊張しており、何かする前に大声を出されると逃げ出す可能性が高い。しかし、少しでも何かやり始めた後だと、大声は加害者の攻撃心を増す(カッとならせる)と同時に、「声の発生源を潰さなくてはいけない」という思いを抱かせかねない。その結果、声の源である顔を殴る、口をふさぐ、首を絞めるなどで被害者が命

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    zyugem 2015/06/18
  • 我が家の朝の習慣

  • 「耳鼻いんこう科」 大切なのは正しい発音ではなく、正しい伝達である

    「耳鼻咽喉科」を「耳鼻いんこう科」に表示変更することになり、それについて耳鼻科の先生が院長に抗議していた。俺もその抗議に賛成だ。 そもそも「咽喉」を読めない人は、ひらがなで「いんこう」と書かれても、それが何を意味するのか分からないだろう。つまり「咽喉」を「いんこう」にひらがな表記したところで得する人はいないのだ。 逆に、漢字で「咽喉」と書いてあれば、それを見て「喉もみてもらえるのか」と分かる人がいる。しかし、ひらがなの「いんこう」にはそういう伝達力がない。なんのことか分からないまま「耳鼻咽喉科」を正しく「じびいんこうか」と発音することが、患者にとってどれほどメリットがあるというのか。 これがもし「耳鼻のど科」(じびのどか)に変更するというのなら、少しは賛成できたかもしれない。表音文字と表意文字を柔軟に使いこなしている日において、大切なのは正しい発音ではない。正しい伝達である。 このままい

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    zyugem 2015/04/07
  • とりあえず俺と踊ろう: それは本当に物盗られ妄想ですか……?

    2015年3月31日 それは当に物盗られ妄想ですか……? ある日、一人暮らしの高齢女性が、離れた所に住む息子さんに連れられてやって来た。問診票には「妄想を言う」と書いてある。 息子さんによると、最近になって電話で「小屋の中のものを盗まれる」などと言うようになったそうだ。泥棒する奴なんかいないと何度言い聞かせても、人は頑なに「盗まれた」と繰り返した。それでついに、これは精神科に連れて行った方が良いということになった。 診察室で実際に女性の話を聞いてみると、なんだか妄想っぽさがない。この感覚の説明は難しいが、敢えて言えば「都合の良い決めつけ」がない。例えば、「いつ盗られたことに気づいたのか」という質問にはきちんと答えられるのに、「犯人の目星はあるか」という問いには「さっぱり分からない」と言う。物盗られ妄想の人だと、これが逆になる印象がある。「現場を見たわけじゃないが、盗んだのはアイツだ

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    zyugem 2015/03/31
  • とりあえず俺と踊ろう: 言葉にすることで記憶がゆがむことがある

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    zyugem 2015/01/08
  • とりあえず俺と踊ろう: 「戦いません、勝つまでは」という姿勢で、親に寄生する人たち

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    zyugem 2014/11/27
  • 子どもの水難事故は、予防こそが最大の親心

    夏真っ盛りで、今年も水難事故が多発している。 俺も子どものころ、川で溺れたことがある。 子どもたちの付き添いで近所のオジサンがいたが、俺が沈んでは浮かび、浮かんでは沈みをする中で見たのは、オジサンが岩に腰かけてタバコを吸っている姿だった。オジサンは、明らかに俺を見ていた。俺が溺れているのか、それともただ一人遊びをしているだけなのかが分からなかったのかもしれないし、そもそもボーっとしていただけかもしれない。いずれにしろ、 「大人が付き添っているから大丈夫」というのは幻想である。 我が子は、自分で守るしかない。 とはいえ、たとえ水泳が上手くても、救助のド素人にできることは少ない。 10年くらい前、溺れた我が子を救うために川に入った父親が、発見された時には水中で子どもを肩に乗せて立ったまま亡くなっていたというニュースがあった。子どもは無事に救助されたと記憶している。親心の凄さを感じたものだが、今

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    zyugem 2014/08/11
  • とりあえず俺と踊ろう: 高齢者の物盗られ妄想の診察で気をつけていること

    2014年5月20日 高齢者の物盗られ妄想の診察で気をつけていること 物盗られ妄想のある高齢者の診察では、刑事になったつもりで接するようにしている。何をいつ盗られたのか、犯人の目星はついているのかなどを聞く。これは家族や施設職員と話す時も同じで、絶対に最初から妄想とは決めつけない。特に家族の気持ちとしては、身内がいきなり妄想にとりつかれた狂人のような扱いを受けたら辛いものだ。 少し話がそれるが、高齢者の幻視(レビー小体病で起きやすい)に対しても、何が見えるのか、人なら誰が見えるのか、男か女か、知っている人か、怖くないかといったことを尋ねていく。物盗られ妄想にしろ幻視にしろ、こういう細かいことを尋ねていく過程と雰囲気は、人はもとより同伴の家族の目にも、医師が真摯に向き合っている姿勢が伝わり、以後の関係が円滑になる。 さて、物盗られ妄想に対して薬を処方して二度目以降の診察であるが、人に

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    zyugem 2014/05/20
  • とりあえず俺と踊ろう: ステロイドを飲む人や家族には是非とも知っておいて欲しい大切なこと

    2014年1月29日 ステロイドを飲む人や家族には是非とも知っておいて欲しい大切なこと 副腎皮質ステロイドは様々な疾患の治療に用いられ、非常に優れた治療薬ではあるが、副作用もいろいろあって、その中の一つにステロイド精神病がある。この副作用は時に重大な結末(自殺)にも至るため、ステロイドを使用する医師は絶対に知っておき、かつ処方する際に意識しておかなければいけない。 ステロイド精神病は、プレドニゾロン換算で1日40mgを超えると発生頻度が数十倍にも上昇する。その状態像としては、躁状態が35%、うつ状態が28%、躁うつ混合状態が12%で、せん妄が13%、精神病性障害が11%である。 ステロイドの使用開始から発症までの期間の中間値は10日前後だが、4割が最初の1週間に、また2週間以内に6割、6週間以内に9割が生じる。それ以降の発症も稀ではない。 (精神科治療学 Vol.25増刊号 今日の精

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    zyugem 2014/01/29
  • とりあえず俺と踊ろう: 本当に減らしたいのは何か

    2012年4月16日 当に減らしたいのは何か これまで、てんかんと自動車免許に関する記事を二つ書いた。一つ目は、『てんかん患者には運転免許を持たせるな!?』と題して、てんかん患者に限らず他者の権利に制限をかける時には冷静な議論が必要だということと、それに対する過剰なまでのネガティブ反応に驚いたということを書いた。二つ目は、『てんかん患者と運転免許』というタイトルで、てんかん患者に対する誤った知識を修正してもらうとともに、てんかん患者の運転免許を制限することのデメリットについて考えてみた。 mixiでも同じことを載せて、異論反論も多かったし、賛同する意見ももらった。ただ一つハッキリさせておきたいのだが、俺は今回の京都での事故加害者を擁護する気はさらさらないし、てんかん患者を守りたいという強い想いがあるわけでもない。病院でてんかん患者を何人も治療していて、彼らの人となりを知っていて、彼らに

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    zyugem 2013/07/04
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