大みそかの「年取り魚」として県内で人気のサケとブリが、ことしは対照的な流通状況になっている。中南信地方で好まれるブリは質、量ともに安定しているが、東北信地方で食べられるサケは全国的に高値の気配だ。サケの主産地は北海道だが、東日本大震災の影響で東北地方の水揚げが減った影響もあるようだ。 16日早朝、長野市の長野地方卸売市場。「贈答用に人気の大物が特に少ない」。卸売会社の担当者は、20キロ入りの新巻きサケの箱を眺めてそうこぼした。全体に小ぶりで、多くは1箱に7、8匹ずつ並んでいる。4匹入りの北海道産を見つけると、この担当者は「これは貴重」と声を上げた。 全国の市況情報をまとめている漁業情報サービスセンター(東京)によると、新巻きになる生アキサケの全国の漁獲量(11月末まで)は前年比8・3%減の約12万トン。産地市場での取引価格の平均は1キロ当たり482円で、前年同期から34・3%も上昇した