今年の春闘では、働き手の4割弱を占める非正規労働者の賃上げ回答が低調だった。大企業を中心とする大幅賃上げの波が、労働組合への参加率が低い非正規労働者には及ばず、無防備のまま物価高にさらされている形だ。
偽造マイナンバーカードを使ったとみられる手口でスマートフォンの「乗っ取り」被害が起きた。情報のひも付けミスなどマイナカードを巡るトラブルは相次ぐ中、国会ではカードの個人情報のスマホ搭載や、外国人の在留カードとの一体化を図る法案が審議され、将来的に治安管理に使われないかとの懸念も上がる。市民の不安を残したまま、制度改正が進む。 (山田雄之、宮畑譲)
埼玉県立高校の共学化勧告を巡り、男子校の県立浦和高の生徒ら約150人が21日、さいたま市の同校で意見表明会を開き、共学化への思いを県教育委員会に伝えた。 参加者からは「男女別学に通いたいという多様性を無視している。『別学の方がいい』と、この学校に入った。生徒の声に耳を傾けて」「現段階で早急に共学にする必要はない。男子校と女子校の交流機会を設けるなど試せることはある」など反対意見が多く挙がった。 勧告は昨年8月、県男女共同参画苦情処理委員が行い、県教委は1年以内の報告書提出が求められている。県教委の依田英樹高校改革統括監は「皆さんの意見を重く受け止め、教委全体にも伝え間違いのない判断をしたい」と語った。別の学校でも希望があれば同様に対応するという。 同校の意見表明会は生徒会が校長や教員らと相談し県教委に開催を依頼。進行を務めた生徒会長で2年の田原薫さん(17)は「生徒会として、意見を言っても
東京外郭環状道路(外環道)の地下トンネルルート上の東京都調布市で進めていた地盤補修が中断している問題で、東日本高速道路の由木文彦社長は31日の定例記者会見で、2月5日以降に再開予定の工事で問題が発生した場合は再度中断する考えを示した。 同社は2020年10月に発生した陥没事故などを受け、地下40メートル以深の大深度トンネル工事で緩んだ地盤を補強する工事を昨年8月に開始。11月に現場近くの入間川で気泡が発生したために中断した。同社は、気泡は補修材とともに地中に送り込んだ圧縮空気が漏れ出て発生したとしつつ、酸素濃度が低く有害な「酸欠空気」ではないとの調査結果を12月に公表していた。 由木社長は、再開する工事について「圧縮空気の圧力の度合いを変えるなど工夫し、補修中断の原因となった気泡が発生したら、酸素濃度を測定するなどモニタリングをしっかり行う」とした上で、「工事の性格上、空気の漏れを全くゼロ
生活保護費の全額を支払わず、1日1000円の日割りや1週間1万円の週割りにするなどの不適切な支給が発覚した群馬県桐生市で、福祉課が受給者の認め印を預かり、職員が書類への押印に使っていたことが分かった。18日の荒木恵司市長の定例記者会見で市側が明らかにした。 書類への押印は本来、受給者が自らで行う必要があるが、福祉課では1944本の認め印を預かり、2018年度から今年11月末にかけ、86世帯分の受領証などへの押印に使っていた。このうち少なくとも1件は受給者に無断で押印していた。預かっていた認め印の本数は、11月末時点での市の生活保護受給者(527人)数を上回る。 小山貴之福祉課長は「来所がしにくいなどさまざまな事情で預かったと考えられるが、不正が行える余地を残す。正しい運用とは言えなかった」と説明し、今後は使用しないとした。認め印は生活保護の開始時に預かっていたといい「いつごろから実施してい
男性は糖尿病を患い、生活に困窮して今年7月に生活保護を申請。8月に月約7万1000円の支給が決定した。市は男性に、毎日の求職活動状況を書面で提出するよう求め、ハローワーク担当者の押印が書面にあるのを確認後、1000円を手渡したという。 金曜日は週末分を含め3000円、光熱費や携帯電話料金は請求書を提示すれば別途支給されたが、支給額は合計で8月が3万3000円、9月も3万8000円にとどまった。男性は司法書士と市福祉事務所を訪ね、未支給分を10月に受け取った。
関東大震災直後に起きた朝鮮人虐殺の加害者に対する恩赦を決めた1924年の閣議決定文書を巡り、9日の参院内閣委員会で質疑が行われた。松村祥史国家公安委員長は文書の存在を認めたが、「事実関係について確定的なことを述べることは困難」として、虐殺の事実を認めなかった。 文書は国立公文書館所蔵。大震災から4カ月後の同年1月21日付で「震災当時における混乱の際、朝鮮人犯行の風説を信じ、その結果自衛の意をもって誤って殺傷行為を為したる者」を対象に、特赦手続きをとることを記している。
国立科学博物館(科博)が7日、インターネットを通じて寄付を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。光熱費の高騰で標本や資料を保存する資金に窮しているためだという。短時間で目標額の1億円を突破。既に5億円超が集まり、金額的には成功といえる。しかし、CFがコケていたらどうなったのだろう。学術研究に対する国の支援の在り方に問題はないのか。(木原育子、安藤恭子)
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