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SFに関するTomato-360のブックマーク (11)

  • 資本主義以外の選択肢を模索する、経済学者・政治家によるSF経済書──『クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界』 - 基本読書

    クソったれ資主義が倒れたあとの、もう一つの世界 作者:ヤニス・バルファキス講談社Amazonこの『クソったれ資主義が倒れたあとの、もう一つの世界』は、『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』などで知られる経済学者にして政治家のヤニス・バルファキスによる、資主義に代わる制度についての提言を記した書というか、SF経済書というかといった感じの一冊である。 体裁としては完全にSF小説で、物語で中心になる時代は2025年と現代よりも少し先の未来。中心人物であるギリシャに住むコスタは、ユーザーの欲望を読み取り、それを擬似的に(脳内で)体験させる装置であるHALPEVAMと呼ばれるシステムを構築する過程で、偶然にも平行世界の自分と通信を確立することに成功し、自分(同名の人物でややこしくなるので、作中ではコスティ)とのやりとりを開始することになる。 で、このコスティ

    資本主義以外の選択肢を模索する、経済学者・政治家によるSF経済書──『クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界』 - 基本読書
  • 「折りたたみ北京」の郝景芳による、中国から見た1984年──『1984年に生まれて』 - 基本読書

    1984年に生まれて 作者:郝景芳発売日: 2020/11/24メディア: Kindle版この『1984年に生まれて』は、郝景芳によって書かれた、中国の1984年前後から00年代頃までの情景が描かれていく長篇小説である。郝景芳はヒューゴー賞を受賞した「折りたたみ北京」をはじめとし、日でも単独短篇集である『郝景芳短篇集』が白水社から刊行、この長篇も刊行され、と世界的に人気の高い中国作家の一人だ。 で、書は実際に1984年に生まれの著者による「自伝体小説」である。自伝体小説とは、あったことをそのまま自伝として描くわけではなく、その時代、その年齢であった時に感じたことや経験を別の外面的イベントに乗せ、フィクションとして描いていくもののこと。著者のあとがきによると次のような部分に注目した小説だ『物事のディティールは服の上に身につける帽子や帯にすぎず、その事柄に対してどう感じるかということこそが

    「折りたたみ北京」の郝景芳による、中国から見た1984年──『1984年に生まれて』 - 基本読書
  • AIエンジニアによる犯罪を本格的な描写と共に描き出す、第8回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作──『人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル』 - 基本読書

    人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル (ハヤカワ文庫JA) 作者:竹田 人造発売日: 2020/11/19メディア: Kindle版この『人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル』は、早川書房による第8回SFコンテストで優秀賞を受賞した作品だ。SFコンテストはここ3回大賞が出ておらず、今回も優秀賞のみ(作と、十三不塔『ヴィンダウス・エンジン』が優秀賞)。 大賞を逃しているわけなんで、何がその原因だったのかなと思いながら読んだのだけれども、いやーこれがおもしろい! 正直これで大賞がとれないとなっちゃあ、もう誰もこの賞に作品を送ってこないんじゃないの?? と思うような水準だ。選評読むとどういう判断で大賞から漏れたのか理解はできるのだけれども、単純におもしろいSFおもしろい小説を読みたい、という観点なら太鼓判を押せる作品だ。 借金のカタにマフィアにとらわれ臓器を売り飛ばされそうに

    AIエンジニアによる犯罪を本格的な描写と共に描き出す、第8回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作──『人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル』 - 基本読書
  • 最強メンバーを揃えて帰ってきたSFアンソロジー──『NOVA 2019年春号』 - 基本読書

    NOVA 2019年春号 (河出文庫 お 20-13) 作者: 大森望出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2018/12/05メディア: 文庫この商品を含むブログを見る良質なSF短篇を世に送り出してきたSFアンソロジー『NOVA』は全10巻及び『NOVA+』以後、刊行が途絶えていたが、今回『NOVA 2019年春号』として帰ってきた。編集後記で大森さんも書いているが、この何年かでいろいろなルートでSF作家──というよりかは、積極的にSFも書くぞ、と思っていそうな作家が増えているのに短篇発表の場が少ないので、もっと早く再起動してほしかったところである。 で、まず内容をみて驚いたのはその作家陣の凄さ。トップバッターの新井素子に、波に乗りまくっている『ゲームの王国』の小川哲、『Ank: a mirroring ape』の佐藤究に『横浜駅SF』の柞刈湯葉に『ザ・ビデオゲーム・ウィズ・ノーネー

    最強メンバーを揃えて帰ってきたSFアンソロジー──『NOVA 2019年春号』 - 基本読書
    Tomato-360
    Tomato-360 2018/12/13
    これ絶対おもしろい
  • SFファン交流会向けに作った冬木糸一の文学リスト - 基本読書

    先週の土曜日、SFファン交流会で文学について牧さんと西崎さんと語る機会がありまして、事前に質問に答えて作ってきたリストが下記になります。特に縛りはありませんでしたが、いちおうSFファン交流会ということでどれもSFっぽい要素のある作品を選んだ感じ。そのため、僕のオールタイム・ベスト文学というわけではない。 会では、三人それぞれまったく作品がかぶることもなく、好みがはっきり出ていておもしろかった。以下、簡単に紹介でも。 特に話題にしたい、名作という作品を10作品。 われらが歌う時 上 作者: リチャード・パワーズ,高吉一郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/07/30メディア: 単行購入: 2人 クリック: 32回この商品を含むブログ (65件) を見るリチャード・パワーズの中でも最も好きな作品。三代にまたがる家族の物語。ユダヤ人、黒人女性の夫婦がまだまだ人種差別の激しい1930年

    SFファン交流会向けに作った冬木糸一の文学リスト - 基本読書
  • 今年も素晴らしく質が高い年刊日本SF傑作選──『プロジェクト・シャーロック』 - 基本読書

    プロジェクト:シャーロック (年刊日SF傑作選) (創元SF文庫) 作者: 大森望,日下三蔵出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/06/29メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見るはい、毎年恒例日のSF短編から質の高いものを選びぬいた年刊傑作選が今年も無事刊行。今年で11年目だそうな。特にこの数年に関しては毎年毎年質が高く、質が高いだけではなく作品のばらつき、広がりもあって満足感は高まるばかり。今回も新鋭からベテランまで読み応えのある作品が揃っているので、早速紹介していこう。 ざっと紹介する トップバッターである上田早夕里「ルーシィ、月、星、太陽」はホットプルームの上昇によって大陸での大噴火が引き起こされ、地球全体を覆った粉塵によって地球環境が激変した未来を舞台にした一篇。大傑作『華竜の宮』、『深紅の碑文』の続篇にして、すでにその姿を消した旧人類から未来を託さ

    今年も素晴らしく質が高い年刊日本SF傑作選──『プロジェクト・シャーロック』 - 基本読書
  • 初心者向けのオススメSF記事を書きました&補足アフタートーク - 基本読書

    今日「それどこ」に初心者向けのSFについて寄稿したので、こちらではその補足というかアフタートークでも。そもそも「初心者向けのSF」ってなんやねんという話でもしながら、取り上げられなかった/取り上げたかったの話でもしようかと。 srdk.rakuten.jp 取り上げたは五冊あるが(リンク先参照)「これこそが初心者向けのSFだオラーテメーらに教えてやるぜー!」的なノリでいくと普通に荒れるので、今回は「僕はこういうSFを読んでSFの沼にズブズブハマっていきましたよ」と逃げの入った選定となった。記事の対象読者としてはSFこれまで意識しては一冊も読んだことないな〜という人たちで、短篇集は一冊入れてー恋愛ものも(打ち合わせの時に要望があったので)入れてー雪風は(自分がそれをきっかけに読み始めたので)入れてー、あとはハードSFも一つは入れてー、そりゃ飛浩隆は入れるでしょーという感じで決めた。 あと

    初心者向けのオススメSF記事を書きました&補足アフタートーク - 基本読書
    Tomato-360
    Tomato-360 2018/05/16
    Self-Reference ENGINEは初心者向けか(まだ読んでないから読もう
  • 古橋秀之による一切ハズレ無しの極上のSFショートショート集──『百万光年のちょっと先』 - 基本読書

    百万光年のちょっと先 (JUMP j BOOKS) 作者: 古橋秀之,矢吹健太明出版社/メーカー: 集英社発売日: 2018/02/02メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る今は亡きSF雑誌であるSFJapanに最後まで連載されていた古橋秀之によるSFショートショート集がついに単行としてまとまって刊行された──と、まるで元から知っていたかのように紹介しているが僕はSFJapanはほぼ読んだことがなくこの作品のことも知らなかった。が──、読んでみればこれがもう神がかり的におもしろい。 プロローグとエピローグを合わせて計50篇、そのどれもで独立した設定・キャラクタを立ち上げ、奇妙な話から物凄いバカ話、ハードSFちっくな話から昔話のSF風アレンジまで格的なSFショートショートがこれでもかと詰め込まれている。もともと古橋秀之さんは傑作『ある日、爆弾がおちてきて』を筆頭に、

    古橋秀之による一切ハズレ無しの極上のSFショートショート集──『百万光年のちょっと先』 - 基本読書
  • 世界をディストピアに変えてしまった時間航行士の奮闘を描く時間SF──『時空のゆりかご』 - 基本読書

    時空のゆりかご (ハヤカワ文庫SF) 作者: エラン・マスタイ,金子浩出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/02/06メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る書『時空のゆりかご』は著者エラン・マスタイのデビュー作にして、”ユートピアだった世界”を”くそみたいな世界”──我々が暮らすこの世界のことだが──に変えてしまった時間航行士の、時空を超えた奮闘を描くスマートな時間SFだ。過去を変えることで未来も変わってしまうという使い古された時間SFのアイディアを扱いながらも新しい道、読み味を開拓しており、驚くほど新鮮に読める作品である。 デビュー作とはいえ、著者は『アローン・イン・ザ・ダーク』や『もしも君に恋したら。』などの脚を手がける手練の脚家。書も時間SFにありがちなそこそこ複雑な構造・構成をとり、メタ的な要素までありながらも抜群に読みやすく、ネタ的には格的なS

    世界をディストピアに変えてしまった時間航行士の奮闘を描く時間SF──『時空のゆりかご』 - 基本読書
    Tomato-360
    Tomato-360 2018/02/07
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  • 牧眞司の「定番SFを読み直してみる」 ~第1回シミルボンコラム大賞~ - ソラリス など - シミルボン

    ソラリス / 沼野 充義/スタニスワフ・レム などの紹介コラム。牧眞司の「定番SFを読み直してみる」 ~第1回シミルボンコラム大賞~ の応募受付は終了いたしました。 沢山のご応募ありがとうございました! <結果発表ページはこちら> <大賞の牧眞司氏との対談記事はこちら> 事務局:シミルボンより もっと多くの読書人の皆さまがこの場を愉しんでいただきますことを願い、誰もが参加できるネット上のイベントとして、コラム大賞を開催いたします。 今回は、読書人を

    牧眞司の「定番SFを読み直してみる」 ~第1回シミルボンコラム大賞~ - ソラリス など - シミルボン
    Tomato-360
    Tomato-360 2016/10/22
    おもしろそうやってみようと思ったら今月末が締め切りだった
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