永久債という債券をご存じだろうか。永久債とは、償還期限の定めがない債券のことをいう。一般的な特徴として、永久に利子が支払われること、投資家は償還を要求できないが、発行体は一定期間後の償還オプションを有していることが挙げられる。 近年、この永久債の発行が急増している。2014年の発行額は前年比2.5倍、過去最高の2,278億ドルとなった(※1)。主な要因は、①金融機関に対する国際資本規制(バーゼルⅢ)に対応するためのCoCo債(Contingent Convertible Bonds)の発行増、②世界的な低金利を受けた発行増である。 2014年の発行額が1,085億ドルに達したCoCo債とは、金融機関の自己資本比率が一定水準を下回った場合などに、元本の削減または普通株式への転換が求められる債券である(※2)。リーマン・ショック時には大手銀行が公的資金(税金)の注入により救済され、銀行の債権者