「研究費の選択と集中」という観点から、ノーベル生理学・医学賞受賞の山中伸弥教授が発見したiPS細胞の研究について考えてみたい。 山中教授は現在、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の所長であり、この研究所の目的は以下の通りである。 (1)iPS細胞に特化した先駆的な中核研究機関 (2)iPS細胞の可能性を追求し、再生医療の実現に貢献する (3)京大内の関連機関と密接に連携し、共同研究を奨励し、若手研究者の交流・育成する 現在、CiRAにどの程度の予算が付いているのかは正確にはわからないが、報道によると、平成25年度では、CiRAが拠点となる「細胞備蓄」に27億円の予算が経常され、またiPS研究全体には毎年90億円以上の研究費が配分されるとのことである。 iPS細胞の作製によって、さまざまな病気のモデル組織の構築が進んでいることはよく知られている。 おそらく、これは創薬などのために極めて有効