台風で被災した川崎市市民ミュージアム。その収蔵品レスキューまでの記録映像が公開2019年10月の台風19号によって収蔵庫が浸水し、収蔵品が被災した川崎市市民ミュージアム。その被災から収蔵品レスキューまでの様子を収めたドキュメンタリー映像が公開された。 川崎市市民ミュージアムが公開したドキュメンタリー映像より 2019年10月の台風19号によって収蔵庫が浸水し、収蔵品が被災した川崎市市民ミュージアム。いまだ再開の目処が立っていない同館の、被災から収蔵品レスキューまでの様子を収めたドキュメンタリー映像が公開された。 川崎市市民ミュージアムは1988年に開館。写真やマンガ、グラフィック、映画、映像などの「複製技術芸術」の歴史に関わる総合的なコレクションを有する美術館として知られているが、19年10月の台風19号(令和元年東日本台風)により、9つの収蔵庫が浸水被害を受け、収蔵品に甚大なダメージが及
博物館の収蔵品が年々、増え続けている。一方、収蔵庫には限りがあり、プレハブ倉庫に仮置きしている博物館もある。背景の一つに少子高齢化や過疎化による寄付や寄託で収蔵庫が圧迫されていることが挙げられる。まちの文化や歴史を伝える重要な品々を将来へつなぐためにはどうすれば良いのだろうか。 「本当は収蔵庫にきちっと収めてあげたいんですが…」。京都府立丹後郷土資料館(京都府宮津市国分)学芸員の青江智洋さん(39)はプレハブ倉庫の一角に保管する蚕糸業関連資料を眺めてつぶやいた。同館は来年、開館50周年を迎える。館内収蔵庫3棟は飽和状態で、温湿度管理がままならないプレハブ倉庫6棟を「屋外収蔵庫」として利用している。 青江さんによると「地域で管理できない寺の道具や取り壊す空き家の農具を寄付したいという申し出は増えている」。博物館への期待がますます高まる一方、受け入れを断念する場面も少なくない。同館はリニューア
コロナ禍の博物館等を支援する3D&VRボランティア撮影 一般社団法人VR革新機構・横松繁(よこまつしげる) 一般社団法人VR革新機構では,2020年4月以降,日本銀行,市民会館,図書館,博物館・美術館,震災遺構の展示施設,子ども向け施設,水族館,ホール,防災センターなど約40施設を3Dビュー&VR映像で撮影し,その映像を公開した。 当機構は2018年に全国のGoogleストリートビュー認定フォトグラファーが集まった有志の会からスタートしている。2019年には「車いす目線歩道ストリートビュー」での東京2020参画プログラムへの参加や,マスコミ報道でその取組が世界にも発信された。そして,当機構の3Dビュー&VR映像の撮影スキルで特筆しておきたいのは他に無いような大型施設専用撮影ができる点がある。これは当機構の活動を支援する日本マーターポートユーザー会がおそらく日本で一番多くの撮影を行っているか
「“私はあなたの『アイヌ』ではない”」:小田原のどかが見た「ウポポイ(民族共生象徴空間)」今年7月に開業した北海道白老郡白老町の「ウポポイ(民族共生象徴空間)」。「国立アイヌ民族博物館」「国立民族共生公園」「慰霊施設」によって構成されるこの国立施設が誕生した背景を踏まえ、「語られていないこと」について小田原のどかが論じる。 文=小田原のどか ポロト湖と伝統的コタン 撮影=筆者(以下すべて) 民族共生象徴空間とは何か 2020年7月12日、北海道白老郡白老町に「ウポポイ(民族共生象徴空間)」が開業した。本来は4月24日に開業が予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により2回の延期を経てのオープンとなった。同施設の「愛称」であるウポポイとはアイヌの言葉で「(おおぜいで)歌うこと」を意味するといい、2018年に一般公募によって決定した。民族共生象徴空間という名称は、閣議決定された内容
ABCコレクション・データベース 京都国立近代美術館では、見える・見えないに関わらず誰もが楽しめる作品鑑賞のあり方を探る「感覚をひらく——新たな美術鑑賞プログラム創造推進事業」を行っています。2020年度より、作家(Artist)、視覚障害のある方(Blind)、学芸員(Curator)がそれぞれの専門性や感性を生かし、さまざまな感覚を使う鑑賞方法を創造する「ABCプロジェクト」を立ち上げました。今年度の本プロジェクトは、八瀬陶窯から掘り起こした26個の陶片をもとに中村裕太は陶片にみる技法の研究、安原理恵は陶片を触察し言葉にすることで、石黒の陶器作りを解きほぐしてきました。さらに、それらの考察をもとに、学芸員は当館のコレクションとのつながりを再構築してきました。今後、本データベースは、さまざまな作品・資料を領域横断的に取り入れていくことで、より有機的で多層的な当館コレクションのネットワーク
国立民族学博物館友の会 > 講演会・セミナー > オンラインレクチャー > 【動画:配信期間終了】第500回記念友の会講演会・梅棹忠夫生誕100年記念対談「知的生産のフロンティアの原点―探検家 梅棹忠夫を語る」 本動画は配信期間を終了いたしました。 ご視聴、ありがとうございました。 2020年9月5日土曜日に国立民族学博物館講堂にて開催された下記催しの記録動画を公開します。 ※本動画の公開期間は2021年3月末日までです。 【催し詳細】 【第500回記念国立民族学博物館友の会講演会・梅棹忠夫生誕100年記念対談】 「知的生産のフロンティアの原点―探検家 梅棹忠夫を語る」 日時:2020年9月5日(土)13時30分~15時30分 場所:国立民族学博物館2階 講堂 国立民族学博物館初代館長 梅棹忠夫は、知的生産活動において常に新領域を開拓し続けました。知的生産のフロンティアを歩きつづけた梅棹で
2020年9月30日 掲載 キャンパスを歩いていると人とすれ違い、教室から授業のマイクの音が漏れてくる。当たり前のように思われていた大学の風景は2020年春に一変した。1か月遅れの5月から始まった一橋大学の授業はオンラインに切り替わり、本稿を執筆している時点で学生はほとんど通っていない。いつもより長い梅雨の時期に草木は繁茂し、アオサギや鴨が悠然とキャンパス内を歩く姿をよく見かけた。放置された乗り主のいない自転車は、少しずつ雑草の中に埋もれていくようであった。再び大学に人が集まる時、そこにどのような風景が広がっているのだろうか。 一橋大学の国立キャンパスは大学通りを挟んで東西に分かれ、周りには佐野書院、中和寮、運動場などが点在している。それらをすべて合わせた敷地面積は、東京ドームに換算すると7個弱に相当するらしい。しかし、在学中や在職中に実際に訪れるのは、その一部でしかない。たとえば、東キャ
2020年9月30日、株式会社ミュージアムメディア研究所が、「ミュージアムの情報発信に関するアンケート調査報告書」を公表しました。 同社の関連会社である早稲田システム開発が運営するクラウド型収蔵品管理システムのユーザ館に対して実施した、インターネットの活用法などについてのアンケート結果を集計・分析したものです。 同システム導入館はデジタルの活用に積極的であるものの、さらなる活用に向けての障壁が存在すること、新型コロナウイルス感染拡大防止のために講じられた施策が今後のデジタル活用にも応用可能であることが明らかになったとしています。 アンケートでは、画像データの相互運用のための国際的な枠組であるIIIFの認知度が尋ねられていますが、認知度は約23%で「極めて低い」ものの、その存在を知っている層の約6割は「IIIFを利用した画像データ公開を実施したい」と回答していることから、仕組みや効果を知れば
2021年1月2日(土)、NHKの正月時代劇として放映される「ライジング若冲 〜天才かく覚醒せり〜」 。このドラマの美術史考証を手掛けた、当館学芸課長・岡田秀之によるトークイベントを京都・嵯峨嵐山の福田美術館にて開催いたします。 ドラマにも出ていた若冲最初期の作品「蕪に双鶏図」(福田コレクション)の解説や、若冲の人生と画業について、若冲のことをもっと知りたい!という方に向け、わかりやすくお話しいたします。「ライジング若冲」制作裏話なども出てくるかもしれません。 また、番組放映に合わせて期間限定で特別に「蕪に双鶏図」を公開。ドラマの撮影で実際に使用されたレプリカも同時に展示いたします。 朝の光が最も美しい時期の嵐山の景色とともに、ぜひお楽しみください。 ●開催日時:2021年1月10日(日)・1月11日(月・祝) 9:00~受付/9:50終了 ※両日ともに定員に達しましたので、受付を終了いた
公益財団法人日本将棋連盟は、「王座戦における棋譜利用ガイドライン」を公表しました。 その第1条として、以下のような文言が記されています。 主催者は、日本の伝統文化である将棋の普及振興を図るため、王座戦の運営に当たっています。公式戦の対局記録である棋譜については、主催者が優先的使用権及び利用許諾権を有しています。これら主催者が有する権利は適正に保護される必要があります。このため、第三者が棋譜を利用するに当たって、ご理解いただき、守っていただくべき事項や手続き等を本ガイドラインに定めます。しかし、主催者の「優先的使用権及び利用許諾権」の法的根拠は記されていません。市民が原則自由に行動することが許される立憲民主主義国家である日本国においては、公益社団法人が「ガイドライン」を定めても、それだけでは、市民による棋譜の利用を禁止することはできません。禁止権がない以上、利用許諾権も発生しません。 若柳拓
開館50周年記念 美術館を展示する 和歌山県立近代美術館のサステイナビリティ 美術館や博物館は、長く時間を積み重ねることを前提としています。「コレクションの50年」展で紹介する「収集」活動に加え、作品をより良い状態で次の世代に引き継ぐ「保存」のほか、それらを支える「調査研究」は、活動が蓄積されることによって意味を成します。「展示」や「展覧会」は、より多くの人に美術や美術作品の価値を伝え、また社会に多様な視点や議論を生み出す場としての役割を担っていますが、それはつまり講演会やワークショップなどの特別な機会でなくとも、展覧会自体が「教育普及」的側面を持っているということです。こうした場が常に地域にあることが、誰しもに開かれた学びの場を保証することにつながっています。 ではどのようにして美術館はその活動を続けていけるのでしょうか。もちろん運営という面では財政的課題がありますが、コロナ禍によって極
東京国立博物館が「バーチャルトーハク」を開設。特別展「アノニマス ―逸名の名画―」で『時をかける少女』の展覧会を再現東京国立博物館は、独立行政法人国立文化財機構文化財活用センターと凸版印刷株式会社とともに、 バーチャル空間に「バーチャル東京国立博物館」を開設。 アニメーション映画『時をかける少女』で知られるスタジオ地図・細田守監督とのコラボレーション企画、バーチャル特別展「アノニマス―逸名の名画―」を開催する。会期は12月19日から2021年2月28日。 バーチャルトーハクのイメージ画像 東京国立博物館が、その一部をVRで再現したバーチャルミュージアム「バーチャル東京国立博物館(以下、バーチャルトーハク)」を開設する。 このバーチャルトーハクは、東博と独立行政法人国立文化財機構文化財活用センター、そして凸版印刷株式会社が協働して行うもので、同館は「これまで実現できなかったキュレーションや展
2020年11月25日 出版文化を支え続けた市谷工場の地に「市谷の杜 本と活字館」をオープン 活字の製造から印刷・製本まで、動態展示で紹介する“リアルファクトリー” 大日本印刷株式会社(本社:東京 代表取締役社長:北島義斉 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、市谷事業所(東京都新宿区)の再開発プロジェクトの一環として、1926(大正15)年の竣工以来「時計台」の愛称で親しまれてきた旧営業所棟の建物を修復・復元し、活版印刷の技術とその魅力を伝える文化施設「市谷の杜 本と活字館」として2021年2月11日(木)より一般公開します。 「市谷の杜 本と活字館」は、DNPの事業の原点である活版印刷の職場を一部再現し、文字のデザイン、活字の鋳造から、印刷・製本までのプロセスを展示、紹介する施設です。昭和初期の印刷機が稼働する様子や活版職人が作業する姿も動態展示の形で公開します。また、参加型ワーク
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