おあがりんなるよーてえ声で幅の広い階段を上がって 行くと引き付けという部屋へ通される遣り手のおばさんが出て来て、敵娼(あいかた)と対面をする。「この妓よ、いい妓でしょ?、また裏ぁ返してね。で、どういうことにしましょうか?」「そうだねえ、ま、はじめてだからな、ウン、ちょいと一杯、飲もうか」てんで、部屋へはいる。台のものが来る。お銚子が来る。飲んでいるうちに、気が大きくなる。「ちょいと、女の子ぉ二、三人呼ぼうじゃないか、横町の...」横町芸者という腕の達者なのが、吉原にあります。これが来る。お座付きがすんで、これから都々逸から三下がり、半玉が来るってえと、太鼓が届きます。...しだいに盛り上がっていいかげんな時分にお引けになる。...とまあ落語での吉原の登楼の描写は大体こんなところである。一見わかったように感じるが細かいところは皆目分からない。いろんな本からパクって根掘り葉掘り吉原の実態をなる