2008年2月19日,東芝がHD DVD事業からの撤退を発表した。次世代DVD規格を巡るBlu-ray Disc陣営との戦いに敗れた格好だ。これまでの戦いの経緯と,東芝の決断の意義を総括する。 目次 <2008年の次世代DVD戦争を総括する> ・その1:万全の横綱相撲だったBD陣営 5年以上にわたる次世代DVD戦争が,東芝 代表執行役社長の西田厚聰氏の決断をもって遂に終結した。2006年3月31日に同社が初めてHD DVDプレーヤーを発売してから2008年2月まで,東芝が出荷したHD DVD機器は約130万台だったという。 2008年1月,米映画会社のWarner社がBlu-ray Disc陣営に鞍替えした「ワーナー・ショック」までは,どのパソコン・メーカーも「勝負は2008年の年末商戦で決まる」と考えていた。2007年末の時点では,民生用プレーヤー,パソコン用装置とも,両規格はほぼ互角の