うつ状態なのに体が勝手に動いて働けてしまう。だからこそ、苦しいー心と体が限界を突破しているのに動いてしまうその状態はゾンビにも喩えることができる。そんな人々が増えているという。その実態を追った。 どこか調子が悪いのに、働けてしまう。気になってついに病院に行ったら「うつ病です」と診断された――。昨今、そんな人が急増しているという。体が動かず、働けなくなってしまう通常のうつ病とは何が違うのか? 自身もうつ病で治療中の精神科医である岡本浩之氏は、「通常うつ」と「働けるうつ」の症状の差を明確に分類する。 「私自身も今から10余年前、31歳のときに抑うつ状態に陥りました。そのときは医師としての信頼の失墜を恐れるあまり、働き続けてしまったせいで健康を壊してしまいました。いわば、働けるうつの人は性格的にしんどいと言えない、自分を追い込んでしまう、休むことをストレスと感じてしまうといった傾向が強いように思