脳力をアップするおいしすぎる方法とは? 前回は、年齢とともに脳のハードの部分の働きは低下するものの、ソフト面の脳力は使えば使うほどよくすることができる、というお話をしました。その鍵を握るのが、前頭前野にある「ワーキングメモリー」です。 今回からは、このワーキングメモリーの働きを高める方法についてお話ししましょう。 まずは食事編です。 あまりにも簡単で拍子抜けされるかもしれませんが、その方法とは「おいしいものを食べること」です。 おいしいものを食べると、なぜワーキングメモリーの働きがよくなるのでしょう。それには、ドーパミンを分泌する中脳皮質ドーパミン系(中脳皮質辺縁系)という脳内の刺激伝達経路が関わっています(図1)。 「おいしい」ものを食べると、快感や満足感、至福感をもたらしますが、食べたことで脳幹のなかの腹側被蓋野(VTA=ventral tegmental area)と呼ばれる神経細胞