現在、抗うつ剤の中で最もよく使われているのはSSRIというお薬です。 SSRIは「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」の略で、神経間のセロトニンの濃度を増やす事で抑うつ気分などを改善させてくれます。 日本では現在ルボックス、デプロメール、パキシル、ジェイゾロフト、レクサプロの5剤が発売されています。 実はこれらのお薬、どれもほとんど同じ「神経間のセロトニンを増やす」という 作用機序なのに、性別によって効果に差があるのです。 統計をとってみると「男性にはこのSSRIが効きやすい」 「女性にはこのSSRIが効きやすい」という特徴があります。 今日はSSRIの性別による効果の差を紹介させて頂きます。 1.男女で異なる、抗うつ剤の効き 森下茂先生の研究報告を紹介します。 抗うつ剤単剤で10週間治療された症例を対象にうつ病の改善率の男女差を見てみると、 ルボックス(テプロメール):男性68.3% 女性