私たち人間が動物と違う点が幾つかあります。その一つに自我の意識があるということです。動物にはそれがありません。 たとえば、犬やネコが鏡に映った自分の姿を見ても、それが自分だとは気づかず、攻撃したり、びっくりしたりします。 本能のままに生きる彼らにとって、自分がなんたるかという自我の意識はありません。しかし、人間には自分自身を意識できる自我があります。この自我が境界性パーソナリティ障害に陥るとうまく機能しなくなることがあるようです。 境界性パーソナリティ障害の場合、自分と相手とを分けて考えることが困難です。これはどういうことでしょうか。 家族であっても、父、母、子供たちはそれぞれに別個の存在です。一人一人違った個性や考え方を持ち、違った感じ方、 違った方法で事にあたり、違った結論を下すものです。これは恋人であったり、親友であっても、誰に対しても同様に言えます。 しかし境界性パーソナリティ障害