2013年08月13日09:13 カテゴリ名著探訪社会 無責任と曖昧さの果て 「日本はなぜ敗れるのか」山本七平著 この本は、山本七平氏がフィリッピン戦線における小松真一氏の「虜人日記」について、自身の経験と合わせて語ったものである。虜人日記に書かれた敗因21ヶ条は、山本七平氏をして50万人とも言われる餓死者を出したフィリッピン戦線の最も正確な記録でもあるという。 敗因の一つ紹介すると、日本が敗滅した原因としてバシー海峡の惨劇がある。バシー海峡とはどこだ? そんな激戦はあったかと首をひねったが、戦闘はなかったが米国潜水艦による日本の輸送船に対する一方的な戦争は存在したのだ。 バシー海峡とは台湾南端とフィリッピンのバシー諸島との間150キロを指す。この海峡で起こった惨劇をレイテ沖海戦でもなくインパール作戦でもミッドウエイ海戦でもなく日本敗滅の象徴として位置づけているのだ。 フィリッピン戦線だけ