果物や野菜に卵を産み付けて繁殖する東南アジア由来の害虫、ミカンコミバエが今年、鹿児島県を中心に九州各地で確認されている。2015年に奄美大島で大量確認されて以来の規模とみられ、九州の植物検疫を担う農林水産省門司植物防疫所も警戒を強める。 ミカンコミバエは体長7ミリほどの小バエの一種で、東南アジアや中国南部、台湾に広く生息。ふ化した幼虫が果物などの中身を食い荒らし、収穫できなくなる被害がある。国内では1919年に沖縄で初めて確認された。86年に「根絶」。その後も毎年のように飛来しているが、「定着」には至っていない。 正確な飛来経路は不明。6~7月に日本付近に停滞する梅雨前線に向かって、南方から流れ込む気流に乗って飛んでくるとみられる。同様に台風との関係も指摘される。今年の確認数が多いのは、前線が長期間とどまる「長梅雨」の影響がある、と関係者はみる。 鹿児島県によると、8月24日現在、18市町