子どもの頃からドラゴンクエストに夢中だった鈴木さん。親友の自殺と放射線医としての挫折をきっかけに、生きづらさを抱える人たちに寄り添いたいと思うように。コンテンツの街・秋葉原にクリニックを開業した鈴木さんが、医師として実現しようとしている本当の“回復”とは。お話を伺いました。 勇者になりたい 愛知県安城市で生まれ、2歳からは千葉県船橋市で育ちました。子どもの頃はファミコンにすっかりはまって、特に『ドラゴンクエスト』に夢中でした。小学5年生の時に、ドラクエの世界を描いた『ダイの大冒険』という漫画で「勇者とは、勇敢な者のことではなく、人に勇気を与える者のことだ」 という言葉に出会って、僕もそんな勇者になりたいと思うようになりました。 小中学校では成績が良く、学級委員をやったりして、そこそこ人気者でした。ところが高校に入った頃から、溢れ出る「モテたさ」から自意識過剰になり、コミュニケーションに苦手