松本美香さん(当時28歳)の朝は、規則正しく慌ただしかった。 5時15分に起床して自分で弁当をつくり、バタバタと出かけていくのだ。だが、朝から雨が降っていた2008年5月19日、起床時間になっても起きてこなかった。6時ごろに母が起こしにいくと、いびきをかいて寝ていた。「よっぽど疲れているのかな」と思ったという。 ●「役所の顔」の総合窓口カウンター担当に 美香さんは、大学卒業後の02年4月から、地元・宮崎県児湯郡の新富町役場の正規職員として働き始めた。 最初の配属先は税務課。相当勉強したようで、税務署の職員ではないのに、農家から頼まれて確定申告の手伝いをしたり、相談の指名を受けるようになっていた。入庁5年目の06年7月に、税務課から町民生活課(現・町民こども課)の町民生活グループに異動。「役所の顔」ともいえる総合窓口のカウンターが美香さんの席だ。 多少の残業もあったが、異動翌年の07年度に入