減塩対策は日本だけの課題ではなく、世界中でも取り組むべき課題として挙げられています。そんな中、英国は国を挙げて減塩対策に取り組み、その結果10年間で心臓病の患者が減り、毎年2600億円もの医療費の削減につながったと言われています。英国での取り組みはどのようなものだったのか、東京大学大学院で減塩対策の研究に取り組まれる佐々木敏先生に伺いました。 ―英国は減塩対策にどのように取り組んでいったのでしょうか。 英政府は減塩対策に取り組む前に、まず国民がどんな食品からどのくらい食塩を摂取しているかの調査を徹底的に行いました。その結果、料理を作るときに入れている塩や調味料よりも、購入した食材に含まれている塩分量の方が圧倒的に多いということが分かりました。それによって、国民一人ひとりに健康教育を施すよりも、産業界を変える方が効果が高いということが明らかになったのです。 そのため次に、どの食品から何%の塩