「アメリカの魂を買いあさっている」と非難された ソニーがコロンビア映画を買収したのは1989年9月のことだ。日本のバブル景気が真っ盛りの頃で、あとを追うように日本企業はアメリカの映画会社を買収するようになる。松下電器、日本ビクター、パイオニア、東芝、商社などがハリウッドに大金を投じた。 三菱地所がマンハッタンのロックフェラー・センターを所有したのと並んで、「日本企業がアメリカの魂を買いあさっている」と非難され、ジャパン・バッシングにつながった。「ソニーのコロンビア買収は暴挙だ」と非難したのはアメリカ社会やマスコミだけではない。社内でも反対の声は大きかった。 48億ドル(当時6700億円)も出して買収する値打ちはない、素人のソニーが映画ビジネスで儲けられるはずがない、アメリカ国民を敵に回してほかの製品が売れなくなったらどうする……とあちこちから批判された。同じコンテンツビジネスでも、1968