遠州鉄道は15日の取締役会で、グループの遠鉄観光開発が運営する浜松市西区舘山寺町の高級旅館「ホテル九重」の営業を10月で終了することを決めた。1987年の開業以来、団体客を中心に全国から集客し、浜名湖エリアの観光をけん引した。老朽化した建物は11月から約2年をかけて解体するが、跡地利用策は未定。コロナ禍からの巻き返しを図る舘山寺地区の観光関係者にとって、象徴とも言える施設の閉鎖は大きな痛手となる。 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年4月から約1年半にわたり休業していた。同日の記者会見で遠鉄の丸山晃司専務はコロナの影響に加え、顧客ニーズの変化、休業期間中の施設の急速な老朽化を閉鎖の要因に挙げた。「舘山寺地区にとっても、遠鉄グループにとっても非常に重要な場所。跡地は売却しない。コロナ後の社会の変化を見据え、地域のために有効な活用策を考える」と述べる一方、具体的な再生計画は決まってい