40年以上もトップとして企業を率いてきたオーナー兼代表取締役会長が突然、刑事事件に巻き込まれた。社内の混乱ぶりを想像するだけでも、実に怖くなるが、梅津立弁護士は、顧問弁護士として、危機対応にあたることになった。 「何とかなるという楽観主義は、会社により大きなダメージを与える」。オーナー代表者に引導を渡すという、ある意味で「冷徹」といえる対応を含めて、梅津弁護士に聞いた。(ジャーナリスト・富岡悠希) ●「代表取締役会長を辞めてもらう必要があります」 2022年12月中頃、梅津弁護士は長野県警松本署にいた。接見で向き合っていたのは、タジマモーターコーポレーション(東京都中野区)創業者兼代表者の田嶋伸博さんだ。 同社は、外国車の輸入販売事業のほか、アクションカメラ「GoPro」の日本総代理店も営んでいる。近年は、電気自動車関連の次世代モビリティや環境事業でも注目を集める。 会社もさることながら、