今年の就職がうまくいかないとしても、それは日本社会の怠惰ゆえの必然でしかない 「就職の成功失敗にかかわらず、人々が安心して社会生活を行える制度設計」が必要だ 赤木智弘 フリーライター 一時的に落ち着いたように思えるものの、まだまだ予断を許さない新型コロナウイルスの蔓延。個人にとっても企業にとっても大きな負担となっている中、今年大学を卒業する学生たちは、先の見えない状況に不安を抱えているそうだ。 確かにコロナ対応と乱発された自粛要請で、大きく利益を失った企業は多い。また、収束に向かうかも微妙な情勢であり、今年の新卒採用が大きく絞られるであろうことは想像に難くない。 それはもちろん学生たちのせいではないことはいうまでもないが、一方で我々自身の怠惰が産んだ悲劇でもある。今回はそれを説明したい。 「氷河期世代」は犠牲になり続ける 最近は「景気さえ良くなれば、社会の問題はほとんど解決」という類のこと