7月に長崎市内で開かれたDV加害者更生プログラムの体験会。新型コロナウイルス感染拡大の影響で外出自粛が長期化し、配偶者などへの暴力に関する相談が増加。臨床心理士らで作る「ながさきDV加害者更生プログラム研究会」は加害者が自らの行動を見つめる心理教育講座を企画した=長崎市馬町で2020年7月3日、今野悠貴撮影 過激化に潜む攻撃グセ 前回のコラムで、人間には心身のバランスを保とうとする無意識の機能があるという考え方を紹介した。世界的に有名なギリシャ・アテネ大学のジョージ・クルーソス名誉教授(小児科)が2009年に提唱した「ホメオスタシス(平衡維持力)」理論だ。 心身のバランスとはシーソーのようなもので、負荷が大きくなりすぎるとマイナス側に傾く。特に社会経済的な資源が乏しい人や新たな資源を獲得しにくい環境にある人は、予想外の大きな負荷がかかるとマイナスに傾いたままなかなか均衡を取り戻せず、そのま