ウクライナ問題が抱える困難の本質と日本の役割~ロシアの軍事侵攻で事態が急転 冷戦終了とソ連邦の崩壊で形成された欧州安全保障制度を再構築する重大な転機に 東郷和彦 静岡県立大学グローバル地域センター客員教授 静岡県対外関係補佐官 ロシアの軍事侵攻でウクライナ問題の緊張度が高まっています。長い歴史を持つこの問題の本質はどこにあるのか。日本政府はどう向き合うべきなのか。外務省でソ連課長やモスクワ大使館次席公使、欧州局長などを歴任、ロシアに詳しい東郷和彦氏が詳細に解説します。(論座編集部) ロシア・ウクライナへの攻撃を開始 2022年2月24日、ウクライナ情勢が急転した。ロシア国防省はウクライナの防空システムを破壊した旨発表。ウクライナ国境警備当局は、ロシア軍の隊列が、ウクライナ北部チェルニヒワ、東部ハリコフ、東部ルガンスクの各州に侵入したと伝えた(ロイター)。ゼレンスキー政権は、ウクライナ全土に