ウクライナでの戦いは膠着(こうちゃく)状態が続いている。戦場で決着がつけられる結果となるのか、戦争が延々続くのか、停戦が図られ、政治的決着を見ることになるのか、全く不透明だ。 しかし、どういう結果になろうとも、日本はこの戦争から浮かび上がる幾つかの重要な点を教訓として認識し、将来に生かしていかなければならない。 傲慢な力の行使から目を背けてはならない ロシアのウクライナ侵攻は国連憲章はじめ国際法が禁じている侵略だが、プーチン大統領は「大ロシア」の野望をかなえるために軍事行動をとっても、これに抗する力はない、と判断したのだろう。米国も北大西洋条約機構(NATO)も軍事介入はしないし、欧州はロシアへのエネルギー依存で身動きできない。日本は北方領土問題の展望を損ねることはないだろうし、そして中国はロシアを支援するだろう、と。 プーチン大統領には、国際社会の「規範」も力で席巻できるという傲慢な意識