米国のペロシ下院議長の台湾訪問に反発する中国が8月4日から大規模な軍事演習を実施し、台湾海峡が緊迫の度を増している。ペロシ氏は中国の強硬な反対を押し切って訪台した理由について「台湾の民主主義を支援するため」との声明を発表したが、発言や行動を精査すると、「米国の半導体産業強化」というもう一つの目的が浮かび上がる。 米下院はペロシ氏訪台前の7月28日、半導体の製造や研究に527億ドル(約7兆円)の補助金を投入する法案を可決した。バイデン大統領の署名で成立する。半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は米政府の強い要請もあって120億ドルをかけてアリゾナ州で工場建設を進めており、補助の対象になるのは確実だ。 ペロシ氏との昼食会にTSMCから2人 バイデン氏は昨年、半導体サプライチェーン(供給網)を見直す大統領令に署名し、半導体製造強化に500億ドル規模を投じる方針を表明した。だが