女優としての木内みどりさんを評価していた一人に、樹木希林さん(2018年に75歳で死去)がいた。樹木さんが企画を手掛け、19年に公開された映画「エリカ38」で木内さんは「悪い女」を演じたが、この役を指名したのは樹木さんだった。【企画編集室・沢田石洋史】 樹木さんに愛された理由とは 「エリカ38」は投資詐欺事件で、多くの人の人生を狂わせた主人公「渡部聡子」を浅田美代子さん、その母を樹木さんが演じた。主人公を投資詐欺の世界に引きずり込んだのが、木内さん演じる「伊藤信子」。公開前の19年1月、木内さんはインタビューに「すごい悪い女の役なのよ」と話していた。役作りにあたっては、木内さんの「社長夫人」「政治家夫人」としての経験が生きたという。夫の水野誠一さんは西武百貨店の社長や参院議員などを歴任してきた。木内さんはこう振り返った。 「『夫人』という役割も長くやってきました。まあ、しょうがないですよね