安倍政権のもとで国会審議の荒廃は進む一方だ。 外国人労働者の受け入れ拡大を図る出入国管理法改正案の採決が、衆院法務委員会で強行され、本会議でも可決された。 委員会での審議時間はわずか17時間で、過去の重要法案に比べても短い。しかも自民党の委員長の強引な議事運びに抗議した野党議員が欠席し、質疑が行われぬまま時計の針だけ進んだ時間も含めての数字である。 社会のありようを大きく変える可能性をはらむ政策転換だ。中央、地方の双方で公聴会を開くなどして国民合意を丁寧に積み上げるべきなのに、政府与党一体となって突っ走った。 議論の中身も目を覆うばかりだ。受け入れる外国人数の上限や支える態勢などについて、安倍首相は26日の予算委集中審議でも「今後示す」「検討している」を繰り返した。政府に白紙委任せよ、国会など無用だと言わんばかりの姿勢だ。 だが危機感をもつべき大島理森衆院議長は、法施行前に政府に改めて説明