総統選の投票日には早朝から投票所に有権者の行列ができた=台湾北部・新北市で2020年1月11日、福岡静哉撮影 新型コロナウイルスへの対応を巡り、台湾の内閣が「専門家ぞろいだ」として日本でも注目が集まっている。台湾では、「鉄人大臣」の異名を取る陳時中・衛生福利部長(衛生相)や、IT担当で「天才」と称される唐鳳(オードリー・タン)政務委員らの活躍が目立つ。主に国会議員から閣僚を選ぶ日本で、パソコンをまともに使えないのにIT担当相に就任するなど専門性を度外視した人選が行われるのとは対照的だ。ただ、国会議員が閣僚になることを禁じる台湾の制度にもリスクはある。 では何がポイントなのか。日常的な取材や政治学者の話を通じて私が感じた台湾の強さの源は、政治をチェックする有権者の力だ。 台湾の制度は「お友達内閣」になる懸念も 「台湾の執政制度が日本より良いとは必ずしも言えません。さまざまなリスクがあります」