これも五輪招致活動をめぐる闇の一つではないか。うやむやにはできない。 13年に開催が決まった東京五輪・パラリンピックの招致をめぐって、石川県の馳浩知事が、高額のアルバムを作り、投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)の委員におみやげとして渡した、と講演で話した。官房報償費(機密費)を使ったとも説明したという。馳氏は当時衆院議員で、自民党の東京五輪招致推進本部長を務めていた。 当時のIOCの倫理規定は、招致活動でおみやげを贈ったり、もてなしなどの便宜を図ったりすることを厳しく禁じていた。招致側とIOC委員が会うことも制限されていた。長野、ソルトレークの両冬季五輪の招致をめぐって買収を目的にした腐敗行為が横行し、IOCへの信頼が失墜したのがきっかけだった。 知事の発言が事実なら、倫理規定に触れる行動である。一方、このような重要な問題でもし事実でないことを言ったとすれば、政治家としての資質を