失墜した政治への信頼回復どころか、逆に不信に拍車をかけるのではないか。実態解明を置き去りに、内輪の「基準」で結論を出しても、岸田首相がめざした「政治的なけじめ」にはなりえない。 自民党が党紀委員会を開き、派閥の政治資金規正法違反事件に関係した安倍、二階両派の39人の処分を決めた。安倍派幹部のうち、座長だった塩谷立氏と参院側トップの世耕弘成氏は、「除名」に次ぐ「離党勧告」となった。 だが、これは新型コロナの緊急事態宣言下でクラブ通いをしていた3氏と同じ扱いだ。離党してもほとぼりがさめれば、戻る道はある。現に3氏はすでに復党を果たした。国民の目から見れば、決して「重い」とは言えない。 塩谷、世耕両氏とともに、パーティー券収入の還流復活を協議した下村博文、西村康稔両氏は、その次の「党員資格停止」と差をつけた。誰が継続を決めたのか。当時、派閥運営に影響力のあった森喜朗元首相の関与はなかったのか。肝